セミウォッシュド製法とは
セミウォッシュド製法とは、コーヒーチェリーから豆を取り出す際に果肉の粘着質をあえて残して精製し、自然の甘みと香りを豆に浸透させる方法です。
すべてを洗い流すウォッシュド製法に比べて手間はかかりますが、粘着質(粘膜質)には自然の甘みや香りが詰まっています。
更新日
一杯になるまでの5つの工程
手摘みで収穫する
赤く熟したコーヒーチェリーだけを、朝から午後4時ごろまで手摘みします。ハワイ島の収穫期は年1回。12月まではフル活動で、2月上旬まで続きます。
ウェットミル ― 皮をむき、洗う
その日の夕方、赤いチェリーを洗って機械で皮をむき、水圧の強いドラム型の洗浄機で豆を洗います。セミウォッシュド製法に仕上げるため、洗い方には独自のコツがあります。
ドライミル ― ハワイの太陽で乾かす
洗った豆を敷き詰め、天日で乾かします(サンドライ製法)。毎日豆の向きを変えながら、晴天が続けば4〜5日で乾燥します。この工程はすべて手作業です。
熟成・脱穀・焙煎
乾燥した豆はすぐには焙煎せず、最低1か月は寝かせて熟成させます。パーチメントと呼ばれる殻を外すと焙煎前の豆(生豆)になり、焙煎を経てコーヒーになります。
選別 ― ピーベリーとエクストラファンシー
丸い形の希少な豆がピーベリー(No1グレード)、平豆(フラットビーン)の最上級がエクストラファンシー(No2グレード)です。
セミウォッシュド製法とウォッシュド製法は何が違う?
| 項目 | セミウォッシュド製法(ジョンの農園) | ウォッシュド製法(一般的) |
|---|---|---|
| 果肉の粘着質(薄い甘み粘膜の膜) | あえて残す | すべて洗い流す |
| 手間 | かかる(洗い方に独自のコツ) | 少ない |
| 味への影響 | 自然の甘みと香りが豆に浸透する | 粘着質の甘みは残らない |
違いは「薄い甘み粘膜の膜を残すか、洗い流すか」の1点です。出所は投稿「ミル(コーヒ豆の精製工程)について」と現行「こだわり」ページの比較写真です。

豆で見る違い ― 薄い甘み粘膜の膜の有無
セミウォッシュド製法の豆には薄い甘み粘膜の膜が残り(写真左・矢印)、ウォッシュド製法の豆には残りません(写真右)。この膜に自然の甘みと香りが詰まっています。

ミル(精製)とは
ミル(Mill)とは、いわゆる「精製」のことで、ウェットミルとドライミルの2段階で行います。コーヒーチェリーが収穫されてからこの工程を経ることで、ようやく私たちが知るコーヒー豆の形になります。
チェリーの皮は繊維質が固く、中の豆の周りには、さくらんぼの種の周りのようにヌルヌルとした甘さ成分(粘膜質)が付着しています。ウェットミルで皮をむいて洗浄し、ドライミルで乾かします。単に機械で水分を飛ばすのではなく、太陽の恩恵に任せることで、紫外線による殺菌効果と自然の旨みを引き出します。
2つのグレード ― ピーベリーとエクストラファンシー
| グレード | 豆の形 | 特徴 | 通販での呼称 |
|---|---|---|---|
| ピーベリー(Peaberry) | 丸い形 | 通常2つに分かれる種子が1粒の状態で育つ希少な豆 | No1グレード(ピーベリー) |
| エクストラファンシー(Extra Fancy) | 平豆(フラットビーン) | 平豆の中では最上級グレード。サイズが大きく肉厚な豆を選ぶ | No2グレード(エクストラファンシー) |
コーヒーの実の中には通常2つの種があります。ピーベリーはこれが1粒で育ったもので、平豆は収穫量の95パーセント以上を占めます(投稿「双子が多い?カウ地区の伝説」より)。どちらもシングルオリジン(カウコーヒー100%)です。
収穫期の約8か月間、ジョンに日曜日はない
収穫期の約8か月間、ジョンに日曜日はありません。朝から夕方まではコーヒーチェリーを摘む作業、夕方から始まるウェットミル、翌日の太陽を待つドライミルまでの全作業は、夜8時ごろにやっと終わります。ハワイの夏は夜7時半くらいまで明るいですが、ジョンがその日の作業を終える頃には真っ暗になります。
2020年は「農園史上初の豊作」で「とても状態の良い豆」の年でした(2020年12月の記事より)。
よくあるご質問
「No1グレード」「No2グレード」とは何ですか?
ピーベリーとエクストラファンシーは何が違いますか?
手仕事のカウコーヒーを味わう
このページの要点
- 一杯になるまでは5工程。手摘み(朝〜午後4時ごろ)→ ウェットミル(皮むき・洗浄)→ 天日乾燥(晴天で4〜5日)→ 熟成(最低1か月)・脱穀・焙煎 → 選別です。
- セミウォッシュド製法は、豆の周りの薄い甘み粘膜の膜をあえて残す精製法で、ウォッシュド製法との違いはこの膜の有無だけです。
- ピーベリー=No1グレード(1粒で丸く育つ希少な豆)、エクストラファンシー=No2グレード(平豆の最上級)。どちらもカウコーヒー100%です。





