火山灰はオーガニックの栄養剤だった!
2018年5月、ハワイ島東部の普通の住宅街から溶岩が噴出する災害が発生しました。
当時日本でもニュースで映像が流れ、結果700件以上の家が溶岩に飲み込まれてしまいましたが、幸いなことに死者は一人も出なかったというミラクルな状況でした。
この活動レポートを書いている本人、Miyukiの家も、その住宅街から7キロという近距離の場所にありました。
噴火が始まった日から家の周りは騒然とし、住む街には避難者の緊急宿泊施設が設けられ、家の前をレッドクロスや警察、軍事関係の車が忙しく行き来していました。
溶岩が吹き出す前のガス活動で、雷のような音とともに空気中に振動が伝わり、家のガラス窓がミシミシと音を立てていたことを覚えています。

夜になると、溶岩はまさに地上の太陽。
地上から夜空を真っ赤に照らし、それは明け方のピンク色の空や夕方のオレンジ色の空などとは全く異なり、夜空の半分は真っ赤な色に染まっていました。
噴火の源はボルケーノ国立公園のキラウエア火山で、そこから南下していくと30分もしないところにカウ地区があります。
道路にも亀裂が走り、通行不可能の時もありました。
私の家の方は溶岩流で真っ赤、カウの農園の方はキラウエア火山からの噴煙で真っ白、ジョンさんとは電話でお互いの無事を確認し合うという状況でした。
火山灰が降り続ける農園。さてコーヒーの樹たちは大丈夫なのか?と心配してたところ、ジョンさんは毎日のようにカウ地区に降り注ぐ火山灰についてこう言いました。
「コーヒーの樹たちは、手を伸ばして、もっとちょうだい、もっとちょうだい!って言っている」と。
私は、「え!なぜ!?」と驚きました。
その反応にジョンさんは、「大地の中から生まれたばかりの火山灰、つまり二酸化硫黄は、天然の栄養剤。火山灰はすなわち、土の新生児たち。コーヒーの樹に降りそそぐ火山灰は、とても栄養があり、土に落ちてくれたら、この上ない栄養となっていく。葉っぱについた灰が濡れて葉にこびりついてしまうと呼吸が出来なくなってしまうが、カウ地区にそよぐ風が、いい具合に葉っぱの灰を大地に落としてくれる。」
なんとまぁ、予想外の好展開!カウのコーヒーの樹たちは、このようにして自然災害をポジティブに切り抜けていきました。
