コーヒー豆の主な産地は、赤道を挟んだ北緯25度~南緯25度までの熱帯・亜熱帯地域に集中し、この範囲のことを「コーヒーベルト」と呼びます。カウコーヒーが栽培されているハワイ島も、このコーヒーベルトの北端に位置しています。
コーヒーの木(コーヒーノキ)を栽培するためには、雨量・日当たり・気温・土壌の4つの条件が全て揃わないと難しいとされています。
コーヒー栽培に必須の4つの環境条件
(1) 適度な雨量
コーヒー栽培に必要な降水量は、年間1500mm〜2500mmほどと言われています。日本の年間降水量が約1700mmなので、さほど多くの雨量を必要としているわけではありませんが、大事なのは雨が降る時期と降らない時期のメリハリです。というのも、コーヒーの木は成長期には雨を多く必要とし、逆に収穫期には乾燥している必要があります。つまり、雨季と乾季がある地域でないと上手に育たないのです。
(2) 強すぎない日当たり
コーヒーの木の成長には太陽の日差しが欠かせないため、一定の日照量が必要です。しかし、厄介なことに、コーヒーの木は日当たりが強すぎても紫外線の影響で元気がなくなってしまうのです。そのため適度な日当たりを保つために、産地によってはコーヒーの木の横に「シェイドツリー」と呼ばれる背の高い木を植えて、強すぎる日差しを緩和します。
(3) 低すぎず高すぎずな気温
コーヒーの産地は熱帯または亜熱帯地域が多いため、気温は高い方がよく育つと思われている方も多いと思います。しかし、実際はコーヒーの木の生育適温は15〜25℃(年平均20℃)と、人間が快適と思うくらいの環境が好ましいとされています。ちょっと意外ですよね。また、寒さにはめっぽう弱く、気温が5℃以下の日が続くと枯れてしまいますが、品質の高いコーヒー豆に育てるためには、昼と夜で寒暖差も必要となってきます。そのため、コーヒーの産地は標高の高いところが多いのです。
(4) 水はけが良く肥えた土壌
コーヒーの木の成長には、水はけが良く肥沃な土壌が必須です。しかし、栄養がたくさんあればあるほど良いというわけでもなく、バランスが大切です。具体的には肥料の三大要素と言われる「窒素」「リン酸」「カリウム」に加え、「マグネシウム」「カルシウム」の5つの要素が土壌にバランスよく溶け込んでいることで、病気になりにくく元気なコーヒーの木が育つのです。また、土壌は少し酸性に傾いている方が好ましいとされています。